映画 夢のチョコレート工場

1971年/アメリ
監督:メル・スチュアート 原作・脚本:ロアルド・ダール 出演:ジーン・ワイルダー

とある伯爵が何やら『楽しい映画だよォ!』としきりに語っていた(誇張)ので騙されてみましたが、
うう・・・こりゃあひどい。ファンタジーの皮をかぶったカルトとどこかに書いてあったが
まさにそのとおり。ほんとに騙された。嗚呼。

  • あらすじ

  これの原作は童話らしいです。
 とにかく異様なまでの人気を誇る"ワンカ"チョコレート。新聞配達のバイトで生計を立てる主人公チャーリーも、当然
 欲しがるが家庭が貧乏なために買えず、見るだけに終わる日々。ある日ワンカが世界的なキャンペーンを行う。
 『うちのチョコに入ってる"金の券"を手に入れた人はチョコレート一生分をプレゼントだ!しかも謎に包まれたうちの工場に
 招待&案内しちゃうZO☆』
 このキャンペーンのせいでもう世界中がチョコ気違いに。大人も子供もおねーさんも(マザー2)チョコチョコチョコ。
 冷静に考えて開けたらポイ捨てなチョコとか社会問題とかに発展すんじゃあねーかおいってぐらいにチョコ病。 見事金の券の栄誉を勝ち取ったのは・・・
 どいつもこいつもファッキンガム宮殿な奴らばかり。 会社の総力をあげてチョコ開封、76万枚も開けたんだよ!と吠える父とワガママ娘。
 典型的な大食漢一家の息子。 ガムを3ヶ月かみ続けた事を全世界規模で公開するバカ娘。西部狂なテレビっ子。
 そして最後の一人はお約束として拾った金で運を掴んだ、チャーリーwithおGさん。(保護者同伴がルールらしい。大人が発見した場合はどーすんだ) 
 んでもって当日。足の悪い振りをしたりして登場したワンカ社長に連れられて工場の中に。そこは不思議の国でした・・・(千と千尋) 
 しかし実際は子供向けファンタジーと言うより奇妙な冒険。

  • ヤバイ。

 登場人物の一人一人のヤバさも相当(チャーリーはそうでもないです。清涼剤)だが、ジーン・ワイルダー演じるワンカ社長はもっとヤバイ。
 工場入ってからはもう独壇場。天才っぷりと気違いっぷりをこれでもかこれでもかと披露。コメディアンというよりはなんかもう悪魔。
 人を食ったような人間性と邪悪な軽口はもうホントヤバイ。船の悪夢映像のあたりは、『こ・・・この男・・・悪魔だ・・・』とマジで心の底から思った。
 あそこ普通にコメディじゃねえって。ていうかあのマシンはなんなんだ。ホラーマシンか。怖いっつーか狂う。 
 俺が登場人物なら入る前のくそ長い契約文を見て即帰ると思うけど多分奴に言いくるめられたり煙に巻かれたり愚昧な保護者に叱咤されて
 結局入ることになると思う。 そして苦難の道を歩む事になるだろう。チョコ怖い。ワイルダー怖い。
 ていうかファンタジーものの癖に再起不能になる奴らが出まくるあたりカルトなんだろうかなーと思ったりする。自業自得とはいえ。
 パイプの中に詰まってるガキを見て『見ててごらん 鉄砲のタマと同じだよ』じゃねえだろ爺さん・・・いつスプラッタになるかとビクビクしてたんですよこちらは。
 というか、発端からしイカレている。この映画はッ!チョコのせいで拉致事件まで起きてるしさあ。つまり全編これイカレ。といいたいのです。

  社長を除いた唯一の工場側の人間・・・つーか小人。顔といいスタイルといい、もうなんというか絶句。普段工場内にはこいつとワンカ社長しかいないようです。
  まさに人外魔境。基本的にこいつらは働いてるか子供達がリタイヤした時に歌とダンスを披露するだけですが、その歌とダンスは強烈です。一度目にすると
  脳にこびりつくと思います・・・ウンパ ルンパ ドゥパディドゥ。DVDのギャラリー見てもこいつらの事は謎扱いだった。

  • 最後に

 カルトですが、啓蒙性はスゴイです。あと毒も凄い…。子供達の最後を見ればもう『わがままいわないようにしよう』『食べすぎはやばいね』『無謀は禁物』とか
  いやでも理解する。まあこの子供達は行き過ぎですが。とにかく普通が一番です。
  この映画のタイトルをいつか「悪夢のチョコレート工場」に変えてやりたい…GFF。
 

 おっと夢みがちだった。現実を直視しなくては。パソコンがすっきりしてしまった現実を・・・